October 5 2005

まじめにカレーと向き合うということ - インド風カリーライス すぱいす

ラーメンの町荻窪に本当にうまいカレーを追求している店があります。脱サラで調理師学校に通い、3年前にオープンしたすぱいす店長の佐藤さんを取材してきました。

  • ○すぱいすを始めた経緯を教えてください。

骨付きチキンカリー私はサラリーマンだったんですけど、お店をやる前に広く浅く調理の知識をつけたほうがいいと考えて1年間調理師学校に通いました。
その後2年間、飲食店のバイトをしながらレシピを固めたり店探しをしてお店をオープンしました。お店は8月23日オープンなので、オープンして丸三年です。場所は家が荻窪なので、電車通勤がないところということで最初から荻窪と決めてましたね。

  • ○今後の展開についてお考えはありますか?

今後どうこうというのはまだ決めてませんけど、自分で全部把握できる規模はこの規模が限界なんですよ。とてもじゃないけど、まだまだ安定した味を出さなければいけない、もっとお客様の声を反映させていきたいですね。もっと完成度が高まったらわからないけど、今はまだどうこうするつもりはないですね。

  • ○おすすめのカレーを教えてください。

すぱいす店内きのこのカレーはぜひ召し上がっていただきたいですね。あと、これからの季節だったら、10月下旬からの牡蠣のカレー、1月中旬からの日本ほうれん草のカレーですね。日本ほうれん草は根元が赤くて葉っぱがタンポポみたいなんです、根っこが甘くてとうもろこしみたいなんですよ。そして。葉っぱが野生的。赤いプチプチが出す甘みと、野生的な味のコンビネーションをぜひ味わっていただきたいです。

うちのカレーは季節によって変わっていくんですよ。
ただ、具材を増やしても単なるトッピングにはしない。具だけが変わるんじゃなくて、ソースも一体感をもって変わることをイメージしているんです。もちろん、見た目のきれいさも重要な要素ですね。
でも、野菜カレーで素揚げした野菜をきれいに並べるということは絶対しないですね。それは見た目がきれいでもカレーソースと一体化してどうかって考えると絶対合わないですから。見た目だけじゃなくて、毎日でも食べたいカレーを作りたいと思っているんです。

  • ○今までで一番おいしかったカレーを教えてください。

すぱいす店長佐藤さん越えたい目標という意味でのおいしいカレー屋は夢民やカーマなどたくさんありますね。
でも、中毒になったカレーというのは後にも先にもあそこしかありません。日本橋三越前のインド風カリーライス(蔦カレー)です。サラリーマン時代は丸の内に勤めていたんですけど、多いときには週6回、少なくても週2回以上は行ってました。ほんとご飯の炊き方はいい加減、サーブの仕方もいい加減。それなのにあのカレーにははまりましたね。固めのご飯で出てきたら本当に最高だと思うんですけど、あれだけの量を炊いているのにたいていベチャベチャ。なのでいつもご飯少な目にしてました。入ったらすぐに「ご飯少なめ」って言うのがポイントです。ほかのお店はおいしいとか、こうしたほうがいいとか自分の頭の中で考えられるんですけど、ここはほんとうにうまいかまずいかというより本当に中毒でした。

  • ○カレーにビールは合うと思いますか?

カレーとアルコールの組み合わせは非常に難しいですね。
でも、個人的にスコッチは結構合うと思います。お店をやる前には、カレーのチキンをかじりながらスコッチを楽しんでました。あと、うちのドライカレーはスコッチに合うんですよ。

カレーにビールというと、これはビールが香辛料に負けちゃうんですよ。
でも、うちに入れているオホーツクビール、これは合いますね。全部地場産の材料を使っていて、このビールはとにかくうまいんですよ。サラリーマンのときに年に出張で80回くらい北海道に行っていたんですけど、このビール、一口飲んでおいしいなって思いましたね。
中でもマイルドスタウトが特にカレーに合うんですよ。
カレーに合う条件としては、まずビール単体として飲んでうまいこと、そしてカレーと飲んでうまいかどうかの両方を満たしていることです。重すぎずさわやかなのにうまみもしっかりしている。このビールは本当に絶妙なビールです。

一般のビールもまじめなビールはカレーに合うと思います。
国産で言うとやっぱりエビスですね。

  • ○ おいしいカレーを作るポイントを教えてください。

お客様の顔を思い浮かべて、まじめにやるということに尽きますね。自分は素人出身なので手を抜くところがわからない。一個手を抜くとすべてが壊れるのが怖いんですよ。なのですべてをしっかりやる。それしかないです。

  • ○使っているスパイスについて教えてください。

スパイスはお店にディスプレイしている20種類を使っています。挽くことができないターメリック以外はすべてホールで仕入れて店で挽いています。オープン時からスパイスの種類は変えてませんけど、八角はちょっと量を増やしてエキゾチックな感じを出しています。あと、オープン直前に増やしたのはクローブ。個人的には個々のスパイスが単独で際立って表に出てきてはいけないと思っているんですけど、これは流行りだと思うんですよ。エチオピアにしろカーマにしろクローブを強くしてますからね。

  • ○カレーブより

カレーとまじめに向き合う佐藤さんの研究熱心さが一つ一つの言葉に込められていて説得力があり感激しました。お客様の声を第一に考える前向きな姿勢が、いつも新しくて最高にうまいカレーを生み出す原動力となっているようで、今後の展開もさらに楽しみになりました。
続々と進化していくカレーたち、こんな次世代カレーが今後さらに発展していくと考えるだけでワクワクします。
お忙しいところ2時間近くもお付き合いいただきありがとうございました。(シンジ


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骨付きチキンカリー骨付きチキンカリー
すぱいすの骨付きチキンカリーキーマ風ドライカリーがお取り寄せで食べられるようになったようです。



  • ○お店データ

すぱいすインド風カリーライス すぱいす
電話:03-5397-3813
住所:東京都杉並区荻窪5-16-20 [地図]
定休日:日休
営業時間:11:30 〜 15:00 (LO 14:30)、17:30 〜 21:30 (LO 21:00)
HP:http://suzuran.ogikubo.com/suzu_shop/shop_spice.html

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